出版社内容情報
従来の〈言語系統論〉を越えて、いくつかの言語の川が次々に合流し、日本語という大河が誕生したと考える。推計学を援用した成果である。
内容説明
今までの〈言語系統論〉は、一つの流れから多くの支流が生じるモデルを設定し、この水源である〈祖語〉を求めるものであったが、本書の安本説では、逆に幾つかの言語の川が次々に合流し、ついに〈日本語〉という大河が誕生したと考える。推計学の方法を援用した語彙調査の成果。
目次
第1部 新しい方法の登場(印欧比較言語学と数理言語学;探究の基礎)
第2部 諸言語を比較する(演繹と帰納―第2部のはじめに;南の島々の言語と日本語;声調諸言語およびモン・クメール諸言語と日本語;環声調諸言語と日本語)
第3部 日本語はいかに形成されたか(流れこむ諸言語;日本語の起源についての仮説)
第4部 さまざまな検討(偶然以上の一致を示す言語対;古極東アジア諸言語のまとまり)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tama
7
図書館本 閉架本1978初版本 手に取られたことがないかのようにとても綺麗。日本語の祖語は?という問題を統計・確率の手法を使って調べた結果の本。童話のグリムってドイツの言語学者だったの!?上古日本語はインドネシア語とかなり関係性が高い。日本列島以外から来るルートに、氷結した宗谷海峡を徒歩で越えるのがまだ入れられていない。東京方言はインドネシアなど南方語の影響が減りアイヌ語の影響がやや出てくる。朝鮮語は日本語よりアイヌ語の方に関係が見える。表やグラフが非常に多く本の見た目の厚みよりもずっと早く読了した。2022/09/07