内容説明
11歳で夭折した天才作家、エドウィン・マルハウス。友人のジェフリー・カートライトは、彼の伝記を執筆するのだが…。現代アメリカ文学の旗手による二重三重に仕掛けがほどこされた異色のパロディ小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
21
著者のスティーヴン・ミルハウザーが一番外側の枠で、その中に「復刻版によせて」を書いたウォルター・ローガン・ホワイトがいて、またその中に「エドウィン・マルハウス」を書いたジェフリー・カートライトがいて、さらにその中に「まんが」を書いたエドウィン・マルハウスがいるという四重の入れ子構造になった本書の見かけ上の主人公エドウィン・マルハウスは、特別ではないがありきたりでもない子供だ。つまり彼は、ジェフリーを通すことで、大人が四回扉を開いてやっとその一部に再会できる子供時代を体現しているような子供なのだ。2016/09/06
Red-sky
2
長かったけど読み切った。描写が多めで挫けそうだったけどラストが気になる一心で読んだ。でも外文はちょっぴり苦手。2022/11/23
ISBN vs ASIN vs OPAC
2
こっちならいいか。っていうか、要するに、おれが読んだのは、見たのは、感じたのは、スティーヴンミルハウザーがでっち上げたウォルターローガンホワイトがでっち上げたジェフリーカートライトがでっち上げたエドウィンマルハウス達が重なりあったところに見える、モアレなんじゃないのか。モアレは描写できないからこそモアレなのだが、執拗なメタ構造と気狂いじみた描写で、おれはそれを見たのでないか。ポールオースターが空白を売る穴屋だとしたら、ミルハウザーは、周波数のずれ、うなりを売る錯覚屋だ。2013/10/05
Megan
1
人生⇒伝記=小説 作品としてみると、すごく綺麗に完結されているけど、自分の人生を芸術として捉え、結末を先に決めてしまうのはどうなんだろうか。それを11歳の少年がするのも辛い。エドウィンの伝記を書いたジェフリーは、エドウィンの自殺を助長したとしか思えない。2010/12/15
BJ
0
18002016/09/11
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- 和書
- へいのうえのねこ




