内容説明
近年、「文化」は広範な学問領域で中心的な関心事となってきている。本書は、特殊なケース・スタディ、すなわちソニー・ウォークマンというメディアを通じて、この「文化への転回」の主な実体的・理論的な要素を紹介する。
目次
第1章 「文化」とはなにか―ウォークマンの広告分析から
第2章 文化の生産・生産の文化―ウォークマンの命名、表象
第3章 デザインは語る―ウォークマンのかたちと意味
第4章 世界企業としてのソニー―ウォークマンの生産過程
第5章 消費の分析―ウォークマンの需要のされ方
第6章 モノと社会的規制―ウォークマンはなにを変えたのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RingWondeRing
2
「企業文化論」として読んだ。ソニーは偶然ウォークマンを生んだのではなかったのがよくわかった。aibo復活にあたり「机の下開発」が美談のようになっていて「これってまたプロジェクトX青色LEDデジカメ的な闇研究礼讃かいな。イノベーションは仕組から生まなきゃ」と思っていたが、この本読んでかつてのソニーは「闇研」さえ普通に業務の一部になってて、それをすくい上げる枠組(文化)を創業者たちが維持してたとわかった。ソニー以外のそして後継のソニーの経営者がアホなので「闇研究こそイノベーションの源泉」と勘違いしたんだな。2018/03/13