内容説明
シェイクスピア最高の喜劇的人物フォールスタッフが登場する傑作歴史劇。ハル王子こと、のちのヘンリー五世がフォールスタッフを追放する問題もあり、リチャード二世からの王位簒奪問題もある。その劇的枠組みはどうなっているのか、詳細な研究で明らかにする。原文と対注で読めるシェイクスピア。
目次
解説
参考文献解題
『ヘンリー四世』関係系図
地図
ヘンリー四世 第一部(登場人物一覧;テクストと注釈)
ヘンリー四世 第二部(登場人物一覧 テクストと注釈)
後注
著者等紹介
河合祥一郎[カワイショウイチロウ]
1960年生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院及びケンブリッジ大学修了、両校より博士号取得。元日本シェイクスピア協会会長。祖母の大叔父が坪内逍遙。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。(著書)サントリー学芸賞受賞作『ハムレットは太っていた!』(白水社)他(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てれまこし
13
ぶくぶくに肥満して、嘘つき、臆病、好色、恥知らずな悪漢フォルスタッフ。だが観衆には圧倒的な支持を得た。放蕩息子から王へと成長するハル王子よりも、彼に切って捨てられるフォルスタッフの方が文学史上に名を残すことになったのは不思議だが、魔力のヨリマシとしての道化という視点から見ると、古い神話の構造と重なり合うんだな。王権の簒奪で乱れた宇宙の秩序が内乱を経て取り戻されるときに、道化が悪を背負って追放される。まさにこの追放によって放蕩息子の罪は贖われ、老いた王に取って代わる資格を得る。悪は罰せられ世界は浄化される。2023/03/09