出版社内容情報
ぼくは王として生きる。この豪華な地獄に。
赤字財政、列強の干渉、迫る革命。転生先は破綻寸前国家の玉座だった。
<あらすじ>
お飾り社長としての人生に嫌気がさして自ら命を絶った「ぼく」は、異世界の若き王の中へと転生する。
しかし彼の王国は巨額の赤字財政と列強の干渉に悩まされ、国内には革命の気配すら漂い始めていた。
政治的影響力を無視できない妃候補の令嬢たちと、自分よりも明らかに有能な重臣たちに取り巻かれ、
無力な異世界人たる彼にできることはあまりに少ない。
だが、何とか“上手くやらなければ”生き残れない。
「ぼくの名は、暗愚な君主の1人として残るだろう。永遠に」
それでもなお、彼は玉座に在り続ける。かつて“投げ捨てた”役割を今度こそ全うするために。
【目次】
内容説明
お飾り社長としての人生に嫌気がさして自ら命を絶った「ぼく」は、異世界の若き王の中へと転生する。しかし彼の王国は巨額の赤字財政と列強の干渉に悩まされ、国内には革命の気配すら漂い始めていた。政治的影響力を無視できない妃候補の令嬢たちと、自分よりも明らかに有能な重臣たちに取り巻かれ、無力な異世界人たる彼にできることはあまりに少ない。だが、何とか“上手くやらなければ”生き残れない。「ぼくの名は、暗愚な君主の1人として残るだろう。永遠に」それでもなお、彼は玉座に在り続ける。かつて“投げ捨てた”役割を今度こそ全うするために。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
29
三代目社長の人生に嫌気がさして自ら命を絶った主人公が、破綻寸前国家の若き王として転生するファンタジー。王となって直面する巨額の赤字財政と、半独立諸侯の存在、足を引っ張り合う周辺諸国との関係。病から回復してから、理想論を掲げていたグロワスが突然別人のように方針転換したことを訝しみながら、その謙虚で真摯な姿勢と考え方を認めて、協力するようになっていく妃候補の令嬢や有能な重臣たち。前世を反面教師にしながら、簡単な道を選ばずにひとつひとつ自ら向き合い、新たな可能性を切り開いてみせたグロワスの覚悟が効いていました。2025/08/08
わたー
21
★★★★★面白かった。家族経営の造園会社の三代目社長となるも、お飾りであることに嫌気がさして衝動的に自殺した主人公。気が付くと中世ファンタジー世界で即位したばかりの国王になっていたことから始まる物語。評判の良さを聞いて読んでみたが、なかなかどうして面白い。確かに、序盤から主人公のボヤキ混じりの語りから始まるので若干の読みにくさを感じたが、妃候補と目される女性視点が入ったことで、世界が一気に広がっていったのは見事。現代人的な思考と中世的な世界の常識とのギャップに戸惑いながら、崩れかけの国をどうにか2025/08/21
サキイカスルメ
16
主人公の情けなさが、人間らしくてすごく好き!弱さを自覚している潔さ、よかったですね。一度衝動的に全てを諦めてしまったからこそ、異世界で暗君として生きることを選んだ覚悟を感じました。わたしが一番好きだったのは、女性陣とのやり取りと関係性です。情にも精神的にも弱いことをわかった上で、それでも彼女たち1人1人を個人として認識して背負うのって愛でしかないじゃないですか。2025/08/12
夜市よい
11
◇堅実な家業を継いで何もしなくても部下が働いてくれる社長の地位は羨ましい。大国の国王に転生しその地位に人が集うのを眺め酒色に溺れられるのは夢が詰まっている。しかしその二つを双方経験したこの主人公を見るとそれが全く羨ましくなくなる。その想像出来ていなかったトップの苦しみが如実に描写されているのが新鮮でした。 ◇そんな主人公が辛い思いをするばかりな話でもなく、 他者視点からはしっかりと主人公が評価されているところが見せられるのが自分事のように嬉しくなれて良かったです。2025/08/10
alleine05
8
てっきり正妃のアナリースさんがメインヒロインなのかと思ったら、少なくともこの巻ではそれほど掘り下げられず残念。今回目立っていた三ヒロインの中ではゾフィさんが一番好み。しかしこの主人公、てっきり暗君として目立たず置物になってひたすら生き延びることが目標なのかと思ったら、むしろ己の身を危険にさらしてまで国家体制を大幅に変えようとしててヤバくない? ここまでする動機がどこにあったんだ。まあ、何もしなくてもどのみち破綻は目に見えているから、それなら危ない橋とわかっていてもちょっとでもいい方向へと介入しているうちに2025/09/11