内容説明
80年代を象徴する『風の谷のナウシカ』、『機動戦士ガンダム』、そして『ブレードランナー』のレプリカントや『2001年宇宙の旅』のHAL、『ミツバチのささやき』という『フランケンシュタイン』の血脈は近代の心の在りかを今もなお問い続けている。
著者等紹介
森川進吉[モリカワシンキチ]
1958年東京生まれ。法政大学文学部史学科卒業。卒業後の職業は劇団員、飲食店、飲食店経営、学習塾講師、日本語教師、ハイヤー運転手など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ataru Furuya
1
ひたむきな青春小説である。不遇な家庭に育った内向的な少年が、文学や演劇を通した様々な出会いの中で成長し、恋人との愛を育てていく。読み進むにつれ、昭和晩期のリアルな日常を真摯に生きる姿に共感が深まる。作中に文学や映画へのコメントが多く出てくるが、中でも漱石論が秀逸で面白い。実は、この作品自体が漱石へのオマージュなのだ。ワクワクの展開もある。心象風景を描く筆致は時に見事で、十分読み応えがある。最後に突如襲う理不尽な運命を彼はどう受け止めるのか。ボウイの名曲から着想した作品のタイトルはその伏線になっている。2025/07/31




