感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
クズンヌ
1
限られた文字数の言葉にこんなにも「力」があるのかと驚かされた。それは自己を客観視する「力」、自己を励ます「力」、自己を癒す「力」、そして受け手としてのわれわれの心を強く激しく揺さぶる「力」。自分が感じ取れる部分だけを除いても余りある言葉の一つひとつに作者にしかわからない深い意味が隠れている気がする。自分が死を強く意識した時、自分を癒し、生きる方向に奮い立たせてくれるものとは一体何があるだろう?作者の心の豊かさを羨む2025/11/09
serastarjapan
1
がんの告知を受けてから、経過観察に至るまでの心の移ろいが、短歌という形を通して丁寧に綴られています。 日常の一コマやふとした気持ちが、作者らしい言葉で切り取られ、読みながら自然と情景が浮かびます。 重たいテーマを扱っているはずなのに、どこか凛とした明るさや、くすっと笑えるユーモアが滲んでいて、読む人の心をふっと軽くしてくれるような力があると感じました。 心情の変化が、まるで季節のうつろいのように静かに、でも確かに流れていきます。 読むたびに異なる歌が響いてくるような、不思議な余韻が残る一冊です。2025/06/08




