出版社内容情報
イヌべさんの山荘には、自然や動物と一緒に暮らすアイデアが満載!
自然との共生を提案した絵本&エッセイ
物語の舞台は、自然豊かな高原の別荘地。避暑のため都会からやってきた主人公は、自宅のそばに不思議な家を見つけます。
そこに住んでいたのは、「イヌべさん」という人物。亡くなった飼い主の姿に転生し、思い出が詰まった別荘地で家作りをはじめたのだといいます。
イヌべさんの別荘には、驚きがいっぱいです。
飼っている馬と目が合うように設計された夏の寝室、屋根裏に侵入した動物たちの糞を肥料にする仕組み、鳥の餌入れがある屋根、キツツキが壁に穴を開けないためのアイデア……。
その不思議な住まいに魅了された主人公は、イヌべさんと共に、自然に寄り添う暮らしをさらに模索します。
第2部では、亜高山帯の動植物への理解が深まるエッセイを収録。
著者が実際に蓼科高原で1年間暮らした日々を綴った絵日記や、フィールドワークの報告から野生動植物との共生を考えます。
第10回絵本出版賞 大賞受賞作
内容説明
住みかをつくることは生きることだった。時には野生動物の命をいただき、時には彼らと生活空間を分かち合う。自然と寄り添いながら暮らすイヌベさんの、ちょっと変わった生き方をのぞいてみませんか?ぼくがたどり着いたのは、野生動物と暮らす森の家。ちょっと不思議な絵本&エッセイ。絵本出版賞大賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
46
避暑にしか別荘に来ない僕は不思議な青年、イヌベさんに出逢う。イヌベさんは大好きな飼い主が死んだ時に魂が入れ替わった為、飼い主が連れに行ってくれた別荘地に来たのだという。もう、若くして突然、亡くなっただろうこの飼い主の事を思うと胸が痛みます。一方、イヌベさんは土地の気候や自然の摂理を活かした家造りを満喫していた。大変そうだが、楽しそう。そしてその家造りにおける様々な工夫によって別荘地の問題と解決が浮き上がってきた。自然と人間社会との境界が希薄になり、互いに被害を及ぼすようになった現在には興味深い一冊です。2025/07/27