出版社内容情報
妹の千紘と親友・龍治の仲にやきもきしていた勇実だが、今度は我が身の色恋が胸を騒がせる。ある日、白瀧家におえんという女が現れ、しばらく身を置かせてほしいと請う。様子がおかしくなった勇実に対し、ひと回り年上で余裕を見せるおえん。聞けば、六年前にふたりは知り合い、のぼせ上がった勇実のほうから迫って、ひと頃男と女の仲になっていたという。衝撃のあまり感情的になった千紘は、おえんを追い払うため、兄が惹かれているはずの菊香を連れてくるが……。果たしてこれでよかったのだろうか――登場人物それぞれが日々、全身で悩んで、前を向く。美しく爽快な青春群像時代シリーズ第四弾!
内容説明
白瀧家におえんという艶やかな女が「しばらく置いてほしい」と訪ねてきた。驚いたことにかつて勇実とただならぬ仲だったらしい。かっと頭に血が上った千紘は龍治や菊香を巻き込んで、すぐさま追い出したのだが…身勝手な振る舞いはその胸にしこりを残す。一方、しばし呆然と過去の恋をなぞっていた勇実は、この一件によって今、己の心が奈辺にあるかを改めて確かめる。そのほとぼりも冷めぬうち、菊香の釣り合わぬ縁談を知らされた勇実は―。悩み多き江戸の青春群像、ファン急増中のシリーズ第四弾!
著者等紹介
馳月基矢[ハセツキモトヤ]
1985年長崎県五島列島生まれ。京都大学文学部卒、同大学院修士課程修了。2020年、小学館時代小説文庫から『姉上は麗しの名医』でデビュー。本作が第九回日本歴史時代作家協会文庫書き下ろし新人賞を受賞し、時代小説界の期待の新星として注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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