出版社内容情報
世界的なデザイナー、コシノジュンコ氏による「教養新書」初の書き下ろしとなる本書は、ファッションから工業意匠、イベントプロデュースまでを手掛ける自身の「デザインの思想」を掘り下げる。天と地、人工と自然、光と影、四角と丸のように、それぞれが独立して混じり合わない「対極」を生かす「対極の思考」。文化と経済の共存共栄を目指しながら日本のアイデンティティー回復を図る「アール・フチュール(未来芸術)」の活動。余分な情報をそぎ落としてモノ・コトの核心に迫る「引き算の思考」。これらによって、自身のデザイン世界がどう豊穣になったのかを検証し、デザインの未来を予想する。友人の三宅一生、高田賢三両氏との親交、パリコレと社会主義諸国で開いたショーの舞台裏、コロナ禍における活動など、豊富なエピソードを交え、デザインについて「喜びと元気と未来を人びとに与える」「新しい生活を人びとに提案する」と言い切るコシノ氏。「カタチ、モノ、コトは、デザインを通じてのみ、商品・サービスから『作品』」に飛翔する」との言葉を受け止めるとき、彼女がなぜ「ファッションデザイナー」ではなく「デザイナー」を名乗ってきたかが理解できる。【帝京大学 創立60周年(2026年6月)企画】
内容説明
「対極」と「未来芸術」と「引き算」を究める。それがデザイン。―コシノジュンコ初の「教養新書」書き下ろし―私はデザイナー!肩書に「ファッション」は要らない!!
目次
第一章 GENTENは原点、あるいはピュア
第二章 GENTENは現点、あるいは未来芸術
第三章 GENTENは玄天、あるいは共時的
第四章 GENTENは元填、あるいはプロポーズ
第五章 GENTENは現転、あるいはショー
第六章 GENTENは減点、あるいは引き算
第七章 GENTENは限展、あるいは新世界
第八章 GENTENは幻澱、あるいはコロナ禍
著者等紹介
コシノジュンコ[コシノジュンコ]
デザイナー。大阪府岸和田市生まれ。文化服装学院デザイン科卒業。在学中(19歳)に新人デザイナーの登竜門である「装苑賞」を最年少で受賞。その後、最年少記録は破られていない。1966年、東京・青山にブティック「コレット」を開店。1978年にパリコレクションに初参加し2000年まで続けた。海外におけるファッションショーは、1985年に中国・北京で同国史上最大のショーを実施したのに続き、90年に米メトロポリタン美術館、94年ベトナム、96年キューバ、99年ポーランド、2009年ミャンマーなどで開いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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