内容説明
“帝京大学創立60周年(2026年6月)へ”特別企画。大災害のたびに沸き起こる「頑張ろう」スローガンから、日常のあいさつ代わりに使われる「頑張ってる?」「頑張ってね!」まで日本中にあふれている「頑張る」。閉塞する日本で本当に頑張れるのか。それとも頑張れないのか。AI時代に日本人のアイデンティティである「努力主義」は一体どこへ向かうのか。その明暗が浮かび上がる。
目次
第1章 頑張りのメカニズム
第2章 頑張りから見た戦後史
第3章 頑張る/頑張らないのパラドックス
第4章 儀礼としての頑張り
第5章 日米の比較
第6章 日欧の比較
第7章 近未来の努力主義
著者等紹介
大川清丈[オオカワキヨタケ]
帝京大学文学部社会学科教授。社会学者。1964年東京都生まれ。京都大学文学部哲学科卒。同大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は比較社会学、歴史社会学。甲子園大学人間文化学部(のちに人文学部)の専任講師・同准教授を経て、帝京大学文学部社会学科の准教授に就いた。2019年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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oooともろー
4
日本における近代以降の頑張る=努力主義の変遷。日本とアメリカや欧米との比較。努力重視の日本と能力重視の欧米、といった単純な二項対立ではない。頑張って生活が豊かになれば自然と頑張らなくなるパラドックス。2024/11/12
かりん
4
3:《日本人は努力を重視する》前半の時代ごとの話は興味深かった。後半は個人的には新味がなかったが、とにかく日本人は努力を重視しがちというのはわかった。メモ→能力不平等観⇔能力平等観(=失敗の原因は努力不足)/フランス、ほとんどすべての授業がバカロレアにつながっているので、受験科目に力を集中するために疎かにされる科目というものがない/AIが普及すると、人間は努力しなくなるのでしょうか。努力しなくなった部分が、努力が求められる他の領域の別のところに振り分けられる可能性があります2024/06/02
Go Extreme
1
頑張りのメカニズム:能力不平等/能力平等観 結果重視・プロセス重視 同調的個人主義 村八分 制度的要因 傾斜的選抜システム (社会的)構造主義 頑張りから見た戦後史:横並び平等主義→機械の平等 頑張り・努力主義←平等・共通体験・共通目標 頑張る/頑張らないのパラドックス:老人力 がんばらない経営・宣言 がんばれ→のんびり、ゆったり 儀礼としての頑張り:敬意表現=回避儀礼+提示儀礼 日米の比較:相互独立/相互協調的自己観 エンティティ/インクリメンタルセオリー 日欧の比較:属性→業績主義 近未来の努力主義2024/01/30
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