内容説明
千秋国際空港で大型旅客機が爆破された。県警捜査一課の内藤は初動捜査に当たるが、捜査本部は手口から国際的なテロと断定、テロを専門に扱う公安部に捜査の主導権を奪われてしまう。捜査の本筋から外された内藤には、無数にある防犯カメラ捜査が割り当てられたが、空港内のありとあらゆる風景を記録していたはずのカメラに、犯行の様子を記録したものは一つもなかった。本当に国際テロ組織による犯行なのか。四十年前の開港前夜、空港反対派による過激な反対運動があったが、今はもう、その火は完全に消えている。関連はないのか。もし反対派なら、今さら何に反対しようというのか。内藤が頭を悩ませる中、厳戒の警備態勢をあざ笑うかのように二機目が爆破される―。
著者等紹介
豊田旅雉[トヨダリョチ]
1973年、千葉市生まれ。明治大学文学部日本文学科卒業。元新聞記者。著書に『猿たちの法廷』(つむぎ書房)、『らえぬ女子の漂流』(つむぎ書房)。『絞首台の下で踊れ』が「第13回金魚屋新人賞(辻原登奨励小説賞・文学金魚奨励賞)」最終候補に選出される。2023年、『熱鷹―内陸空港の功罪―』で、「第2回らくむぎ出版コンテスト」優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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