内容説明
神に捧げられた享楽街アイリーデ。今もこの街に坐す神との契約は、三つの神供―美酒と芸楽と人肌を捧げることで保たれてきた。契約の要となるのは、巫であり娼妓でもある少女、サァリの客取りだ。王都より赴任してきた青年シシュは、そんなアイリーデの秘された真実を知った上でサァリの力になろうと、化生斬りの任務を果たしていた。けれどそんな折、新しく招いた化生斬りの周りで少しずつ人々の様子が変質し始める。シシュは事態の原因を探るべく動き始めるが…!?神話と人を巡る物語、第二弾。第三譚と第四譚を収録して登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
28
アイリーデの秘された真実を知った上でサァリの力になろうと、化生斬りの任務を果たす青年シシュ。しかしそんな折、新しく招いた化生斬りの周りで少しずつ人々の様子が変質し始める第二弾。新しい化生斬りネレイがやってきてから豹変してゆくアイリーデ。その原因を探る中で明らかになるこの大陸に召喚された女神の兄神の存在。そして月白にやってきたシシュの過去を知るミフィルと、力を借りたディスティーラを巡る複雑な因縁。堅物相手に拗らせて暴走するサァリに戸惑いながら、ヤバい相手と戦うなかなかハードな展開は代償も大きかったですね…。2023/04/06
シャルシェ
4
面白かった。何と言い表すのか難しすぎる二人の関係性が最高にめんどくてしんどくて良き。アイドもヴァスも良いキャラなのにメインの二人もそうだが酷い目に遭い過ぎである せめてヴァスは戻ってきてほしいなあと。3巻も続けてのんびり読んでいきたい。次巻も楽しみに。2024/10/09
ちゃか
3
神話正統を継ぐ月白の主であるサァリは、これまでも描かれた通り人と神の二面性をもつ「異種」なわけですが。 1巻では王都出身のシシュと夜の街アイリーデ生まれの娼妓サァリという、生まれによる価値観や性格の違いによって生まれる凸凹コンビ感じが微笑ましく映っていたわけですが。 今回収録された三譚~四譚のあたりは、人と神という異種ゆえに生じるズレが強くなってきたように思います。 価値観の違いというのは、この作品を通して重要になるポイントなのかもしれませんね。2023/06/18
鳩羽
2
神に捧げられた色街アイリーデの化生斬りとして、月白の主人サァリの協力を得ながら化生を退治してきたシシュ。欠員が出ていた化生斬りに新たにやってきた男に、違和感を感じつつ、気づいたときにはサァリも彼の影響下にあり…。神としての在り方と、人間としての在り方に振り回されつつ、互いを想い合うゆえに、女神と神具の役割に収まりきれないサァリとシシュの関係に悶える2巻目。欲しいのに欲しいと言えないのも、普通の男女の関係ならちょっとしたスパイスだけど、この二人だと背景が重すぎて、簡単に共感することもまた難しい。2023/06/02
ekoeko
2
シシュがじれったい。それにヴァスが!なんてことだ・・・2023/05/03