内容説明
親を亡くしたばかりの小春は、ある日、迷い込んだ黒松の林で美しい狐の嫁入りを目撃する。ところが、人間の小春を見咎めた花嫁が怒りだし、突如破談になってしまった。慌てて逃げ帰った小春だけれど、そこには厄介な親戚と―狐の花婿がいて?尾崎玄湖と名乗った男は、借金を盾に身売りを迫る親戚から助ける代わりに、三ヶ月だけ小春に玄湖の妻のフリをするよう提案してくるが…!?妖だらけの不思議な屋敷で、かりそめ夫婦が紡ぎ合う優しくて切ない想いの行方とは―
著者等紹介
シアノ[シアノ]
東京都出身。2017年より小説を書き始め、2021年出版デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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陸抗
25
父親を亡くしひとりぼっちになってしまった小春。狐の嫁入りを邪魔してしまったのを理由に、3ヶ月間花嫁の身代わりとして狐の妖、玄湖の元で過ごすことに。使用人達やどうもこうもとの交流、麦の可愛らしさと、動かない玄湖をしゃきしゃき働かす小春のやり取りは楽しかった。思いがけない出会いもあったし。続きも出てるようなので読みたい。2023/03/26
mariann
22
父の死後、叔母夫婦に虐げられて女学校を中退させられた小春。その帰り道、近くの禁足地で狐の嫁入りを目撃してしまったのが運の尽き⁈花嫁のお燦狐に見つかり、必死で逃げたが自宅で叔母夫婦からのの窮地を追ってきた花婿の玄湖さんに助けられて期間限定身代わり花嫁になることに。この玄湖さんがまたポンコツで、なかなかにやる気もなければうだつも上がらない。元々5本あった尻尾が取られたりして1本しかないし(笑)尻尾を抜かれる設定の斬新さや2人が惹かれあっていく様子、惜しくなったお燦狐の攻撃など、とても楽しく読了。2023/05/14
あずとも
5
表紙の感じと大正時代という背景、親を亡くしたばかり、厄介な親戚という始まりから想像していたヒロインとは違うキャラだったり、そんな簡単に外れるの?って突っ込みたくなる場面があったりと面白かった。2022/04/16
トラママ
1
サラッと読了。まだ続く感じもありつつ。2022/04/29