内容説明
2022年に生誕100年を迎え、没後20年以上が経った現在でも、三浦綾子の文学はまったく色褪せていない。「罪と神によるゆるし」をテーマとした作品群に強固な普遍性があるのはもちろんだが、そこにはさらに読者の心を揺さぶる何かがあるのではないだろうか。本書は、その“何か”を論理的に解説するとともに、著者の三浦綾子作品に対する真摯で熱い思いを余すところなく伝える一冊と言える。
目次
第1章 「絶望」と「再生」の間―『道ありき』『石ころのうた』
第2章 渦巻く嫉妬―『氷点』
第3章 「わびる」と「ゆるす」―『続氷点』
第4章 「愛する」=「ゆるす」―『ひつじが丘』
第5章 「犠牲」と「約束」―『塩狩峠』
第6章 「教育」と「反抗」―『積木の箱』
第7章 「執着」のもたらす禍根―『天北原野』
第8章 「災難」か「試練」か―『泥流地帯』『続泥流地帯』
第9章 「殉教」した息子―『母』
第10章 「昭和」「戦争」そして「教育」―『銃口』
最終章 三浦文学と私
著者等紹介
小田島本有[オダジマモトアリ]
1957年、札幌出身。76年札幌西高、82年北海道大学文学部卒業。87年北海道大学大学院文学研究科修士課程修了。89年釧路高専に着任。現在同校教授。専門は日本近現代文学。地元を中心に公開講座、出前授業、読書会、朗読会などの活動を展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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