内容説明
縄文時代の人々は狩猟や漁労の技術を磨き多彩な資源を有効に利用した文化的遺伝子は我々の思考や行動にも。
目次
1章 環境に適応した狩猟採集文化(手練れた射手の登場;イヌとヒトとの特別な関係;胃袋を満たしたドングリ;縄文のクリ栽培)
2章 水産国の伝統(優れた縄文の漁労技術;貝塚の謎;塩づくりのムラ)
3章 研ぎ澄まされた匠の技(木工の匠の伝統;漆工の造形と美)
4章 定住する狩猟採集文化の特質(黒潮をこえた縄文の丸木舟;縄文の特産品と広域流通;縄文定住社会)
著者等紹介
松田真一[マツダシンイチ]
1950年奈良県生まれ。明治大学文学部考古学専攻卒。奈良県立橿原考古学研究所研究部長、同附属博物館長を経て、現在、天理参考館特別顧問・香芝市二上山博物館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
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列島で一万年以上に渡り狩猟採集生活を続けてきた縄文人。遺跡という形で残された生活の痕跡から見えてきた、食料の種類や獲得のための道具、貯蔵施設や住居など、考古学研究の最前線を幅広く解説している。殊に縄文人の海への進出や石材の流通について知見を広めることができた。何故縄文時代にこんなに惹かれるのだろう。当時の人々の知恵と工夫が様々な形で現代にまで引き継がれ、新たな創造に繋がっているように思うからだ。樹木の性質を活かし、様々な用途に応じて大切に使おうとしている心は、現在の自然環境を考えることにも繋がっている。2021/03/28