内容説明
二〇五一年。日本は観光立国として成功を遂げ、福島第一原発の廃炉作業は終盤を迎えていた。おもてなしの店で働く妹と廃炉作業員として汗をながす兄の目を通して綴られる日本、そして福島再生の物語。「おもてなし」が切り拓く次世代の群像を表した近未来小説。
著者等紹介
カワカミヨウコ[カワカミヨウコ]
1975年、神奈川県生まれ。ニューヨーク州立大学にて学士号、サンフランシスコ州立大学にて修士号を取得する。専攻はともにジェンダー学。911をアメリカで経験する。ニューヨーク州北部で女性のための健康NPO団体「Planned Parenthood」に勤務。サンフランシスコ州立大学でゲストスピーカーを二度務める。311後は小説の糧を探しに、世界中を旅している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rosetta
17
★★✮☆☆とても経済大国とは言えなくなった2050年のニッポン。豊かさで追い越された世界中から観光客を迎え入れることで何とか生き残っている。フクシマ原発の解体作業が観光の大きな目玉になっていた。銀座の巻き寿司(今でも世界中が勘違いしているような海外受けしそうな外道寿司)が売り物のレストランで働く妹と、フクシマの現場で作業させられる服役囚の兄。2つの現場が主な舞台。BBと呼ばれるシステムで客の嗜好を完璧に把握して満足を与えるオモテナシ。BBってオーウェルだよね。30年後の未来とは思えない文明にシラケる2020/07/31
templecity
8
日本のおもてなしの未来物語。原発事故のあった福島がその記念モニュメントになっているというはなし。 2020/07/31