内容説明
能面師の著者が紡ぎ出す珠玉のエッセイ28篇。能面作りはもとよりダンス、酒、音楽、作家論、人生訓などの、桎梏のとれた筆致は格調高く、時にはアイロニカルに冴えわたる。
目次
第1章 淫靡な面は作れない(淫靡な面は作れない:虚飾を取り去った女性の音源多岐な欲望とは;やめてはならない:能面作りと我が身の「衰え」 ほか)
第2章 新横浜風俗(一杯のコーヒーから:体験的水商売論;酔狂洋酒談義:永きにわたり一流の文化を育んだ国にのみ、いい酒はある ほか)
第3章 詩人・作詞家・西條八十(大岡昇平『俘虜記』再読:囚われの身と、命の瀬戸際を潜り抜けてきた経験が言わしめるもの;あまくない広津和郎:清貧思想への憤概と行動力、強い信念と正義感の持ち主 ほか)
第4章 クレモナ・ヴァイオリンの謎(ダンスつれづれ噺:「愛と美と喜び」の心をもって、綺麗に、リズミカルに楽しく;ある画伯の一面:梅原龍三郎の鑑題 ほか)
第5章 謝罪は美徳か悪徳か(放浪の旅:オーストラリア旅行の実感と日本人の習性;壊れゆく理性:脆くも崩れ去る危険をもった理性の考察 ほか)
著者等紹介
神宮清志[ジングウキヨシ]
1937年東京で生まれる。法政大学文学部卒業。慶應義塾事務職員として定年まで勤務。能面師として能面教室を主宰。個展四回。随筆「蕗の会」、電子書籍「風狂の会」会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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