内容説明
大正の末期に異国情緒あふれる松江をドイツ語教師のカルシュが訪れた。夏には霞のようなお堀端の蚊柱に、冬には、足にまとわりつく雪の風情に心を奪われた。春は咲きかけの桜の微笑みに誘われ、秋には目の覚める紅葉に惹かれ、近隣の山々を訪ね歩いては、高校生らとともに季節の変化を心ゆくまで楽しんだ。
目次
哲学者フリッツ・カルシュ
日本との出会い―神々の里に見た美と安らぎを追って(山陰との縁;住居と庭;散歩 ほか)
写真や絵画から蘇る―九十年前の出雲の地 出雲は運命の糸で結ばれた人生そのものであった(松江の街;松江城から;山頂から ほか)
心に残る思い出―辿るえにしの永い途(きずな;日本への招待;終生の因縁 ほか)
資料
著者等紹介
若松秀俊[ワカマツヒデトシ]
昭和21年福島県生まれ。昭和47年横浜国立大工学系大学院修了後、東京医科歯科大医用器材研究所助手、足利工大助教授、福井大工学部教授を経て、平成4年より東京医科歯科大学医学部教授、同大学大学院教授、平成24年より東京医科歯科大名誉教授。その間、沖縄県立看護大学大学院・文京学院大学非常勤講師。専門は生体機能支援システム工学。昭和48年~50年ドイツ学術交流会奨学生としてエルランゲン・ニュルンベルク大学医学部バイオサイバネティクス研究所研究員、米国オレゴン州立大学、中国首都医科大学、南京航空航天大学、韓国釜山国立大学などの客員教授・研究員兼任。工学博士(東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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