内容説明
戦国時代の幕を開けた男、伊勢新九郎(北条早雲)の痛快かつ波乱万丈の生涯を描いた、傑作歴史小説!
著者等紹介
羽田真人[ハネダマサト]
昭和39年、茨城県水戸市出身。フリーライターとして活動、『針をも積み珠をも砕く―北条早雲の生涯』が初めての小説となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TheWho
10
前読に引き続き著者を変え5人目の北条早雲の一代記。著者は、本作が処女作だったようだ。今回の早雲像には、風魔一族の関わり合いが中核をなし、風魔忍者の活躍が早雲の事績に影響している。また早雲の治世の根幹には、風魔一族の架空の長老の薫陶や一休さんこと一休宗純からの影響を匂わせる。そして元家臣の松波庄九郎を斎藤道三の父親と位置づけ、道三の二代目説や細川正元暗殺の早雲黒幕説等の新説?を絡ませ新たな早雲像を引き立たせている。羽田版北条早雲を満喫した1冊です。2020/08/01
はむのしっぽ
0
徒手空拳、才覚一つで瞬く間に国一つ乗っ取った長命の武人という従前の早雲像ではなく、近年通説となっている中央政権中枢と組み、政治力を巧みに利用する戦略家として描かれている。敵対する相手だけでなく、もう一回り大きい視点から事象を見るので、ダイナミックな関東の動きがわかりやすい。ただ、登場人物が多すぎて、しかも名家の常として名前が似てるので混乱を来すことは必定(笑)応仁の乱がわかっている人はもっと楽しめると思う。ネオではない時代小説。2019/04/18