内容説明
東西冷戦の生き証人、「カストロ兄弟」の実像。キューバ・ミサイル危機の裏の裏。今後のキューバの行方。ラウル・カストロ国家評議会議長への公開書簡。カストロ兄弟の未公開写真掲載。
目次
第1部 革命に向けて(革命の背景;革命の成就)
第2部 革命初期段階(革命政権;対米関係の崩壊と対ソ関係の構築;キューバ・ミサイル危機;模索と低迷の時代)
第3部 興隆期(ソ連・キューバ関係の再構築;国内政治・経済体制の整備;国際的地位の向上を求めて)
第4部 転換期(キューバ経済低迷の背景;ソ連の衰退とキューバ;カストロ政権崩壊せず)
第5部 ラウル・カストロ議長の時代(ラウル・カストロ政権への移行;ラウル政権下の内外政策;ラウル国家評議会議長あて公開書簡)
著者等紹介
宮本信生[ミヤモトノブオ]
1937年京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒、法学博士、元大使、外交評論家、’62外務省入省、駐キューバ大使、駐チェコ大使を歴任後、外交評論家として執筆、講演活動に入る。フルート奏者・歌手・女優の夫人・神崎愛のステージ企画、解説(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sagatak
11
通常カストロ兄弟のことは精神論、感情論からその素晴らしさが語られるが、さすがに著者は元キューバ大使、冷静に分析し実務論だ。特にフィデルの悪かった点をズバズバ指摘する。しかし読み終えてなお、いや現実的に現在のキューバを見るにやはりフィデル、ラウル兄弟なくしては独立して存在し得なかったろう。ソ連崩壊後の国民の辛さは聞き知ってはいたが、本書で経過を追うと想像以上に困難な時期だったようだ。2010年に訪れたときは落ち着き良い方向にあるように見えたが未だ国際情勢は厳しい。しかしきっとキューバは乗り越えるだろう。2018/12/21
スプリント
6
米ソの闘争と冷戦の狭間でしたたかに存在価値をアピールしたカストロ兄弟の生い立ちから政治家としての活動までが書かれています。 独裁政権で平和に兄弟間で権力委譲できたケースは珍しいのではないでしょうか。2016/12/30