目次
われ武装解除されず―終戦時、北満州にて
日ソ開戦の頃
関東軍敗戦への若干の疑問
関東軍第一二三師団の大方将兵は如何にして生還することが出来たか
今次大戦は聖戦か侵略戦争か
反戦への途―戦争勃発の本質的究明
八紘一宇再論議
奇説。ことの真相や如何に―米ソをめぐる必然的戦争論理
日本軍は何故敗けたか―日本軍の戦略・組織論的検討
大東亜戦争の戦争責任、戦犯とは
シベリア抑留回想記
追憶
危うく米軍のスパイに―昭和二十四年の復員直後
敗け馴れない国、日本
讃 陸士五十六期
米寿に思う
尖閣等をめぐる中国問題について思う
片言遺言
著者等紹介
名川義紘[ナガワヨシヒロ]
仙台市出身。大正13年生まれ。旧仙台一中卒(現仙台一高)、陸軍経理学校卒(第七期生、陸軍士官学校第五十八期生相当)。陸軍主計少尉、元第一二三師団、第一二三連隊付(満洲孫呉)。シベリア抑留四年間、帰国、復員。中央大学法学部卒。東北電力(株)及び関連会社四十年間奉職。現在地元不動産会社顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やじ
21
難しい漢字や言葉が多く、振り仮名と注釈が欲しかった…それ程戦前の教育レベルは高かったという事だ。「日本民族は、一見、逆境に弱く無節操でお調子者という面もなくはないが(簡単にアメリカナイズされたし)本質的には聡明で道徳的で多元的もののあわれを内蔵し、家族愛、人類愛に富んだバイタリティのある優秀さを失ってはいない」だからこそ、あの敗戦をしかと見据え、なぜ負けたのか国民が総括しないことには、前に進めない。後に続くと信じて散華されたご英霊や非業の死を遂げた方々のために、誇りある日本を取り戻したい。2016/07/18
roatsu
15
敗戦間際に青年将校として第一線に赴いた陸士第58期生の著者が綴る大戦回顧と考察。150頁程度の分量ながら、修羅場をくぐった方しか持ちえない卓越した見識と戦前日本人としての衰えぬ矜持に裏打ちされた示唆に富む一冊。大東亜戦争を自衛戦争とする歴史認識や軍の敗因、国家・民族としての日本人の弱点、現在と将来の対支戦略など日本人が主観的に弁えねばならないテーマについて力強く述べられる。海軍の深井元少佐もだが、今年は激動期の存命当事者世代が現代と後世に贈る発信力高い一冊に出会うことが多い。本書も広く読まれてほしい。2016/07/14