詩想社新書<br> 資本主義の終焉、その先の世界―「長い二一世紀」が資本主義を終わらせる

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詩想社新書
資本主義の終焉、その先の世界―「長い二一世紀」が資本主義を終わらせる

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  • サイズ 新書判/ページ数 284p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784434212819
  • NDC分類 332.06
  • Cコード C0233

内容説明

「より速く、より遠くに、より合理的に」という近代の行動原理で展開してきた資本主義がいま、限界を迎えている。グローバリゼーションの進展によりフロンティアは消失し、先進各国は低成長時代に入った。もはや資本を投資しても利益を生まない超低金利が長期にわたって続く「利子率革命」が先進国の大半で進行し、各国の中間層は破壊され、国民国家は「資本国家」に変貌するに至っている。はたして、終局を迎えた資本主義の先には、どのような世界が待っているのだろうか。ポストモダンの新潮流を読み解く。

目次

第1部 資本主義がいま、終わろうとしている(近代の秋…近代という幻影;すべては一九七一年から始まった;二一世紀の新中世主義…「資本主義」後の世界はどうなるのか)
第2部 パラダイム・シフトを迎えた世界経済、日本経済を読む(先進国が突入した低成長、格差拡大の時代;フロンティアの消失で曲り角を迎えた近代資本主義;「成熟」先進国・日本がもつ大きな可能性)
第3部 資本主義はどこに向かうのか(日本、アメリカ、中国、欧州…世界経済は今後どうなる;時代遅れとなった「成長戦略」)

著者等紹介

榊原英資[サカキバラエイスケ]
1941年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業後、大蔵省に入省。ミシガン大学で経済学博士号取得。IMFエコノミスト、ハーバード大学客員准教授、大蔵省国際金融局長、同財務官を歴任する。1999年退官後、慶應義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、青山学院大学教授、財団法人インド経済研究所理事長

水野和夫[ミズノカズオ]
1953年、愛知県生まれ。日本大学国際関係学部教授。埼玉大学大学院経済科学研究科博士課程修了。博士(経済学)。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストを経て、内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)、内閣官房内閣審議官(国家戦略室)を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

速読おやじ

16
たまには難しい本も読んでみる。水野氏の話は深くて勉強になる。空間に限界がある中でかつてのような成長神話に基づく資本主義には限界があるということに向き合う時期なのかもしれない。Amazonプライムで一時間以内に届かなくてもいいじゃないか、24時間コンビニが空いてなくてもいいじゃないか。そう、もうこれ以上合理的にならなくとも。だから2%成長なんてしなくても大丈夫。「よりゆっくり、より近く、より寛容に」という言葉は深遠だ。成長よりも不平等の解消や文明の衝突を防ぐことの方が重要な気がする。2016/04/13

呼戯人

15
共著だが、水野和夫の書いた部分、発言した部分だけが面白かった。昨年の「資本主義の終焉と歴史の危機」に重なる発言が多かったが、しかし資本主義の終焉の証拠はますます出そろってきたし、その先には新中世主義の世界が広がってゆくだろうという見通しが出てきた。しかし、中産階級が崩落していく現実に対して有効な手立てを用意できてるわけではない。世界の中心に何が来るかも見えないし、周縁だけが格差社会の中ではっきりしてきているという現状が無残に思えた。1%の連中はうまく金儲けをしていくのだろうが、我々99%は貧困なままだ。2015/12/27

hk

13
「蒐集」 水野和夫節は本作でも絶好調だ。「収集」としないところに妥協を許さぬ和夫イズムがある。ちなみに読みは「しゅうしゅう」だ。さて閑話休題。キリスト教の爛熟に伴い「知恵と時間」は神のモノとして封印された。だが「1215年」にカトリック教会が金利を33%上限枠で解禁し時間を商品化したのだ。いわゆる規制緩和である。これにより貨幣が石ころから種子にかわり、増殖する資本となった。それから紆余曲折あり800年を経た「2015年」。資本主義はゼロ金利へと先祖返りしている。種子だった貨幣が石ころに回帰している訳だ。2016/02/16

まさにい

11
平成17年に商法が改正され商法会社編が会社法になる。丁度公認会計士用のテキストを作っていたので、この改正を必死で学ぶ。分からなかったのが、新株予約権、この有利発行の概念。この疑問を突き詰めていくと、資本主義てな~に?という素朴な疑問につきあたった。よくよく考えてみると資本主義の発生は、ある特定の地域の、ある特定の宗教のもとで作られた一つの制度にすぎないのではとの考えが浮かぶ。そしてこのままだとこの資本主義も終焉を迎えるのではと。友人に話しても理解してくれるものはいなかった。そしてこの本に出会う。2016/05/19

ちゅーとろ

9
今主流の成長志向・改革志向・インフレ志向の経済議論の真反対の現在を豊かな世界と捉えている実務家榊原英資+経済学者水野和夫の共著。失われた20年を成熟の20年ととらえ、世界経済の状況と日本の状況を現実的・歴史的に捉えているところに納得。日本は格差が諸外国より小さい、平均寿命・健康寿命が長い、国土の森林比率が高いなど積極的に捉えるところが新鮮だ。また、江戸初期の急成長から元禄・文化文政のゼロ成長をみて江戸文化が花開いたことを参考に、これから文化に注力するべきという提案も素晴らしい。頭の切り替えになった。2017/08/15

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