内容説明
優秀だが融通が利かず、上層部に疎まれて地方に左遷された軍人ウリセスは、赴任先で娶った新妻レーア、家出してきた妹ジャンナとともに、田舎での暮らしにすっかり馴染み始めていた。ある日、帰宅したウリセスを玄関で出迎えたのは、いつものように妻レーアではなく、妹ジャンナだけだった。ジャンナによれば、レーアは体調を崩して寝込んでしまったという。翌日になっても彼女が回復する様子はなく、心配するウリセスはついに医者を呼ぶ。そして、幸せに過ごしてきた二人に大きな変化をもたらす、予想外の診断結果が告げられる―「連隊長閣下は心配性」その他、ウリセスの新たな部下が巻き起こす騒動を描いた「新兵との付き合い方」、事件の舞台裏が明かされる番外編「エルメーテの日記」を収録。冬の寒空をものともせぬ賑やかで暖かな日々の出来事が、ウリセスの人生を思いもよらぬ幸せで満たしていく―
著者等紹介
霧島まるは[キリシママルハ]
2008年頃からWeb上で小説を公開し始める。2013年に「左遷も悪くない」で出版デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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瀧ながれ
22
ご懐妊おめでとうございます。男の子でも女の子でもいいなあ。いっそ双子とか、どうかなあ。奥方、貧血は改善されて、つわりの問題もないようですので、せっせと食べて、元気な赤さん産んでください。鬼連隊長の妹の恋愛模様については、まあ、勝手におやんなさい。巻末のちょっと素が見えてきた補佐官日記は、…いやあ、キミの本音はこんなもんじゃないでしょう(笑)。2015/01/25
ぺぱごじら
21
彼は元々無口で無愛想だが、決して冷淡な男ではない。世渡りは下手だが馬鹿ではない。恐ろしく強いが凶暴ではない。だが遠くから見れば、それらはみな同じように見えてしまう。それを理解できるのは傍近くに寄り添う者と、間近で彼に関わった者たちのみ。そして彼はそんな人達と造る小さな世界に大きな安らぎを得ている。それが彼が置かれた環境ゆえの恩恵ならば、なるほど左遷も悪くない(笑)。羨ましいことだ(苦笑)。2015-1412015/09/06
宇宙猫
19
★★★ 番外編の「エルメーテの日記」が一番おもしろい。2015/12/28
のんたん
16
淡々とした日常なんだけど、ウリセスの目を通して見ると、なんか綺麗に見える。穏やかな陽射しを浴びているような感じ。最後のエルメーテの日記も相変わらずいい味出しているなぁ。2015/01/06
TAMA
14
あのね、俺の子じゃないの。俺たちの子!!って突っ込んだのは私だけじゃないと思うんですが。二巻読んでなくてわからないんですが、エルメーテってすご腕プロデューサー。不器用だけど実力有の人のマネージメント完璧。ただし正直。ジャンナ鍛えられてましたね。その結果があのモテですか。女の子が色とりどりで今回出てきた義理のお姉さんかわいいー。妙な結婚相手から逃れられてよかった。2015/04/11