内容説明
学習教材を本当の意味で理解するために必要なこととは?「確認」のみで終わってしまう現在の教育現場が抱える問題点。その課題を解決し、「学ぶ力」を育む授業のためには何が必要なのか。教材の真実性を把握した納得のいく「問い」づくり、そしてその「吟味」のための提言。
目次
第1部 「学ぶ力」を育てる教育になにが必要か(「学ぶ力」を育てる「問い」と「吟味」の必要性;「問い」と「吟味」を欠く教材理解と授業の課題―なにが授業を「学べない」ものにしているのか;「問い」と「吟味」のための導入学習の必要性―『ありの行列』(光村三上)の授業の試みを例にして)
第2部 確かな「理解」を目指す説明文の授業の課題(文章を「理解」するとはなにかを「問い」直す;「問い」と「私の考え」作りの授業へのスタート;子どもたちの「問い」から教材を捉え直す;子どもたちの「理解」を補う教材の作成と活用―『体を守る仕組み』の「なぞ」への挑戦)
第3部 文学作品の教材理解に何が欠けているか(文学作品における教材理解の課題;なぜ大事な「問い」が不問にされてきたのか―『ごんぎつね』の新たな授業の創出をめざして;言葉の背後に隠されている作品の深層をさぐる―『一つの花』の表面的理解をのりこえるために;心の絆はなぜ断たれてしまったのか―『夕鶴』の破局の深層はどこまで解き明かされてきたか;教師の力量形成になにが問われているか―「学ぶ力」を育てる力量は備わっているか)