内容説明
優秀だが融通が利かず、上層部に疎まれて地方に左遷された軍人ウリセス。左遷先でもあらぬ噂を流されて孤立無援状態のウリセスだったが、ふとしたことから、かつて彼が命を救った兵士の娘レーアとの縁談が舞い込む。そのまま、式の当日までお互いの顔すら知らずに結婚した二人。ウリセスの武勇伝を聞かされて育ち、ずっと彼に憧れていたレーアは健気に尽くそうとするが、緊張と不器用さから首尾よく立ち回れない。一方のウリセスも、無骨な気質が仇となり、彼女の気持ちに上手く報いることが出来ないでいた。そんな中、個性豊かなレーアの兄弟達が、次々と二人の前に現われる。彼等がもたらす騒がしくも心温まる出来事は、軍人として厳しく己を律して生きてきたウリセスに、かつて味わったことのない癒しを与えてくれるのだった。レーアとの絆、そして家族への愛情が深まるにつれ、不遇だったはずの彼の左遷が、思いもよらぬ幸せに満たされていく―。
著者等紹介
霧島まるは[キリシママルハ]
2008年頃からWeb上で小説を公開し始める。2013年に「左遷も悪くない」で出版デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るぴん
39
優秀だが融通が利かず、田舎町に左遷された軍人のウリセスは、そこで昔戦場で命を救った男の娘・レーアと結婚する。生真面目で寡黙な鬼軍人が、地味だが献身的な妻と、4人の個性的な妻の兄弟達に囲まれて、幸せを噛み締めていく癒し系ファンタジー。最初はウリセス目線のためか、あまりに淡々と話が進んで少し戸惑ったのだけど、レーアや彼女の兄弟達、補佐官エルメーテの登場でだんだん読みやすく、面白くなっていった。新実の儀の結末では、周囲の人々の優しさと思いやりに胸がいっぱいになった。これは確かに癒されるなぁ♫続けて2巻へ。2017/02/25
すみの
36
国境近くの山村に左遷された軍人ウリセスは縁談話が持ち込まれるままその地でレーナを妻にする。式当日が初対面というふたりだが、恋愛結婚がほとんどの現代では信じ難いけど、出たとこ勝負なのかな(笑)。夫婦になったふたりの距離がページを追うごとに近くなり、信頼しあう感じが出ている。兄と妹がいるウリセス、2兄2弟がいるレーナ。人数多いけど巧く兄弟妹の性格を描き分けていると思う。新婚生活編。2015/02/11
こばまり
30
オッス!おらツンデレ大好物。楽しみました。2016/01/05
まりもん
28
こちらでの評判が良さそうなので購入。夫婦が徐々に信頼して仲良くなっていく様子が良かった。左遷したことで徐々に幸せを掴んでいく主人公がいいなぁ。2014/05/25
瀧ながれ
26
能力は高いが愛想がないため、上官に疎ましがられて左遷になった主人公が、現地で嫁取りをしたら、なかなかよい嫁で毎日癒されている、という話。言葉も表情も少ない夫なのに、おっとりしている嫁が丁寧にお世話して、ラブラブな雰囲気がちゃんと発生しているのが楽しい。軍人としての仕事もきちんと描かれるので、そのメリハリもうまいと思います。2015/01/20