内容説明
1939年11月、第1次ソ連・フィンランド戦争“冬戦争”勃発。100万人のソ連軍に対し、迎え撃つフィンランド軍わずか25万人。圧倒的劣勢の中、最も激しい戦いの地となったコッラー川において、542人のソ連兵を狙撃するという前人未到の戦果を上げた天才狙撃手シモ・ヘイヘ。驚異的な射撃技術を獲得した生い立ち、敵スナイパーとの一瞬を争う狙撃対決の模様、そして彼を支えたフィンランド軍の傑物たちとのエピソード―ネットで大人気の“白い死神”、その天才的な伝説が待望の文庫化!
著者等紹介
サルヤネン,ペトリ[サルヤネン,ペトリ] [Sarjanen,Petri]
1970年生まれ。ヘルシンキ大学卒(修士)。歴史の教師として教壇に立つ傍ら、戦場に生きた男たちの姿を描く作品を発表し続けている
古市真由美[フルイチマユミ]
東京都出身。フィンランド系企業に勤務の傍らフィランド文学の紹介、翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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TSUBASA
25
第二次世界大戦時、フィンランドとソ連との間で行われた「冬戦争」で並み居るソ連兵を狙撃し、ソ連兵から「白い死神」として恐れられたシモ・ヘイヘ。彼が冬戦争で闘った記録が描かれる。話は主に戦争の要衝だったコッラーでの戦い。ヘイヘ本人以外の人物の話も多い。また、最後の3章は「狙撃とは何か」という内容であり、これも興味深かった。狙撃兵というと殺人狂のイメージがあるかも知れないけど、実は人間性が重視されるんですね。狙撃戦果その数505人。それだけの射手になる秘訣を著者にたずねられ、「練習だ」と返す当たりがカッコいい。2016/04/17
Panzer Leader
23
第二次大戦時のフィンランドVSソ連との冬戦争の一戦線で短期間で驚異的な戦果を挙げた狙撃兵シモ・ヘイヘを中心とした戦記物。圧倒的物量で攻めまくるソ連を相手に奮戦するフィンランドの英雄たちを描いているが、あっという間に読めてしまって戦記物・伝記物としてはちょっと物足りない。2016/06/16
スー
19
99シモ・ヘイヘはフィンランドの英雄で冬戦争の時のコッラーの奇跡と言われる戦いで活躍して542人を狙撃した。驚くのは彼はスコープを全く使わないということです。理由はスコープを使うと頭を上げなければならなく見つかり易くなるからだそうです。この本はヘイヘというよりコッラーを守る戦いがメインでその中でヘイヘが活躍する感じです。零下40度の中、フィンランド軍一個師団でソ連三個師団を相手に士気が衰えずに不屈の精神で陣地を守るフィンランド兵に脱帽です。2019/07/04
そふぃあ
18
100万人のソ連軍に対し25万人のフィンランド軍で迎え撃った冬戦争において、ひとりでソ連兵を542人狙撃し、アンサイクロペディアにほとんど仕事をさせなかった男シモ・ヘイヘ。どうすれば、そのような狙撃の腕を身に付けられるのか?と聞かれ、ただ一言「練習だ」と答えた。2019/06/07
活字スキー
12
個人の戦果として500人以上のソ連兵を倒し、ダムダム弾を顔面に食らっても死ななかったシモ・ヘイヘがすげえのは言うまでもないが、彼の才を見抜き活用したユーティライネンもすげえ。最前線で悠々と本を読みふける肝っ玉も。ルフトバッフェ(ドイツ空軍)の超エース達が独ソ戦でスコアを稼ぎまくったのにも同じ理由があると思うけど、共産主義だけでは説明のつかないソ連兵の命の安さに震える。2014/04/23
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