内容説明
和朗フラット四号館―東京・六本木の近くに、昭和十一年に建てられた木造洋館アパートメント。「トランクひとつで入宅できる」といわれたのは、ホテルのように家具付きだったから。広さ、間取り、ドアや窓のかたち、どれもおなじでない全8宅。築七十七年の今もみなが住み継ぐ、旧き良き、きげんのよい建物をご案内します。
目次
第1章 日本の在来工法による洋館アパートメント(矢羽根の窓の家宅;薄荷色のドアの四角い家宅;光の窓の家宅;中庭をながめる四角い家宅;東京タワーの見える家宅 ほか)
第2章 昭和十一年東京市麻布区飯倉片町六番地(建主について;設計図をよみとく;仕様書をよみとく;暮らしはこんなふう;ご近所はこんなふう ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
澤水月
10
建物好き必見。六本木と東京タワーの半ば辺に突如現れる余りにお洒落な洋館アパート「和朗フラット四号館」、築77年の喜寿記念写真集。縁有り08年寒い頃に部屋の中も含め取材。白いしっくい壁に緑を基調の外観、家の前のミモザの樹、室内のしっくいが薔薇の形に盛り上がり…家賃も安めで住みたい!と思えた(オーナー女性がこれぞ真の貴婦人、優雅を絵に描いたよう)。本書見るとペット同居、改築!とか凄く「自由」だった歴史、ある時期までは女学生の進路決定(結婚含む)までの緩やか空間、近年はクリエイターが巣立つ場になっているようです2013/11/17
Hisatomi Maria Gratia Yuki
2
20年ほど前に、原稿をとりにうかがって知った場所。わたしも今の仕事で独身だったら、住んでみたかったなあ。でもここに住むには荷物が多すぎる。本で床が抜けるかも? でもファミリータイプのお家賃は無理だしなあ、などと妄想。そして、大学生時代の女子修道院経営の女子寮、レジデンシア・ベドゥルナが、この雰囲気にそっくりだったと思う。あの美しい中庭、日曜には近隣に解放されるお御堂、石張りの共用廊下、個室の寄木細工の床も、マンション建設でなくなってしまったけれど。2015/09/19
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