内容説明
連続する宝石店強盗。その最中、蛟堂に当の強盗団から報復依頼が入った。怪しすぎるその内容は、過去に祖父・尊が受けた案件と奇妙に重なって(『罪人は誰か』)。幼い我が子の死には、なにか裏がある…。疑いを持った両親が真相を知るべく持ち込んだ報復依頼。それが、悲劇のはじまりだった(『安達ヶ原』)。報復にかかわる妖しく哀しい人間模様を描いた怪異物語。
著者等紹介
鈴木麻純[スズキマスミ]
1985年、静岡県生まれ。2007年にwebサイト「Nosferatu」を開設。創作小説を書き始める。「蛟堂報復録」でアルファポリスミステリー小説大賞を受賞し、書籍刊行へと至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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秋製
17
今回の話は、過去の因縁が絡んでいる話。ある出来事を経て、辰史達の過去を知る一族外の人物に太朗が踏み込んで過去の話を聞く。2013/04/14
そのぼん
10
人間の業をテーマにした作品でした。相変わらずややこしい雰囲気ですが、何とか読み終えました。自分的には一話目の方がよかったかなと思いました。2012/03/06
藤月はな(灯れ松明の火)
9
人を非難し、迫害する人がもし、「己に罪なからずば石持て打て」と言われて自分を顧みるとそのようにできない人は多いだろう。できるとするならばその人は余程、自分を過信している馬鹿者にしか他ならない。己と関わる人を全て幸せにすることはできないからこそ背負う覚悟を持って自分ができることを為すということの意味はあるのだと思います。同情や特定の状況でしか使えない正義観、憐みは何も生み出さず、相手を傷つけてしまうのだから。太郎君のお母さんが太郎君の名に込めた意味や尊翁の孫たちへの思い、太郎君の覚悟も印象的でした。2011/12/18
椎名ゆき
4
お母さんが借りてくるから読んでるけど、あんまり好きじゃない。終わり方もすっきりしないし、途中ぐちゃぐちゃしてるし…私が子どもなのだろうか。また精神的に大人になったら違うのかな?2012/05/26
mercury
4
まるまる1冊、2話分使って辰史と丑雄の因縁が明かされる。私的には待ちに待った物語でした。尊についてもたくさん語られ満足です。太郎君も大きな1歩を踏み出して今後の展開が楽しみ。表紙の式神もかわいい!ただ独創的な言葉の使い方には若干の違和感あり。2011/07/15