内容説明
こんなおもしろい俳人がいた。反骨とユーモアで激動の昭和を生き抜いた自由律俳人の生涯、それを支えた妻静子の愛。
目次
月やさしいりて芦の中
せつなくて畳におちる女のなみだを叱るまい
総身にルビー残して一糸もなし
「いけませんわ」何を拒むや弧岩の窪
泣くまいたばこを一本吸う
子ら問う巡査がなぜこんなに従いてゆくメーデーなの
もろもろの悩みを捨てて姙りている妻を愛す
おさえがたい震える脚をたてていまとなった馘首をじっとからだで聴いていた
渡満部隊をぶち込んでぐっとのめり出した動輪
みつまめをギリシャの神は知らざりき〔ほか〕
著者等紹介
殿岡駿星[トノオカシュンセイ]
1942年静岡県浜松市に生まれる。1968年明治大学文学部を卒業、朝日新聞社に記者として入社。2002年同社を定年退職。現在、勝どき書房役員。東京都中央区在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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