内容説明
2007年夏、6年ぶりに訪れたチベット…そこで著者が見たものは、抜けるような青空の下に広がるチベットの大地、鮮やかな配色とバター灯の光で彩られた神秘的なチベット仏教、そして信仰をより所にして日々の生活を営む穏やかで人懐こいチベット人の姿だった。同時に、中国共産党による侵略・支配が産み出した社会矛盾も恒間見えた。中国の大地と伝統文化に憧れ、6年間に及ぶ中国での留学・現地就職生活を送ってきた私だったが、それらを目の当たりにして心を揺さぶられ、やがて中国よりもチベットに深く心を寄せるようになっていく。また、それまで全く無関心だった宗教・信仰に対する価値観も変容していく。そしてチベットを離れた後、著者は何かに導かれるようにして、チベット亡命政府のあるインド・ダラムサラへと向かうのだった…。
目次
第1章 デチェン―友の墓標
第2章 ラサへの道―中国からチベットへ
第3章 ラサ(1)―チベットは誰のもの?
第4章 ラサ(2)―祈り、巡礼、五体投地
第5章 ラサ(3)―失われたチベットの風情
第6章 南チベット―信仰心の開花
第7章 ネパール、インド―亡命者たち
著者等紹介
和蔵一起[ワクラカズキ]
1969年富山県生まれ。和歌山、名古屋育ち。京都大学文学部史学科卒。新聞社勤務(校閲、整理担当)後、2001年から中国で留学・就職。2007年、中国生活に見切りを付け帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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