内容説明
待望の現代語訳、ついに発刊!二孝女の悲願成就から200年、親鸞聖人750回忌におくる、親孝行姉妹の感動の物語。英文要約付き。豊後国(大分県)の若い姉妹が病の父を尋ねて命をかけた旅に出る。2ヶ月にわたる苦難の旅の末に、常陸国(茨城県)の古寺で7年ぶりの再会を果たすが―。
目次
1 母の死と旅に出る父(母の死とツユの結婚;父初衛門、巡礼の旅へ ほか)
2 苦難の二人旅(船酔いと恐怖の宿;導かれて京都へ ほか)
3 常陸国での日々(念願叶った父との再会;治療を頼みに医者のもとへ ほか)
The Devoted Sisters(英文)
著者等紹介
橋本留美[ハシモトルミ]
1970年、茨城県久慈郡水府村(現常陸太田市)生まれ。旧姓野上。横浜国立大学大学院国際経済法学研究科修了。国際協力NGOのインターンシップ終了後、シンガポールに渡り、シンガポール松下モーター社勤務などを経て帰国。共同経営者として翻訳会社を設立、運営する。その後出産を機に引退し、現在は翻訳者、編集者、ライターなどとして活動中。リュウメイズ企画代表。新日本文芸協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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黒木 素弓
2
江戸時代、大分から茨城まで若い姉妹が父を尋ねて歩いていくお話。親孝行を称える実話ですが、日本人の温かな思いやりの心が全編に感じられ、和みます。やはり、日本人のDNAは誇るべきものですね。2012/04/09
miwatetsu8
1
大八車を引っ張る秀吉の話しににている。親孝行版。2011/04/24
ご〜ちゃん
1
親孝行な姉妹と、その姉妹の思いを支援する人たちの物語。200年も前に豊後国(大分県)から常陸国(茨城県)まで病の父を尋ねるというだけでも、すごい。その姉妹を支援する人々の思い。最近の日本人に欠けている部分。生活の豊かさと引き換えに、精神の豊かさを失っているのではないかと思った。2010/12/08
takj
0
幕末の時にこれほどの人情ものがあったのか?と錯覚を起こす。 維新前後の混乱とした時代のイメージが強く、また 殺伐とした世情(人買い)のが多い中、一光の思いがした。 2015/01/23
つんたお
0
これは今から約200年前、病に倒れた父を尋ねて、三百里を旅した姉妹の物語です。 江戸時代に若い娘が旅をすることは、まさに命がけのことでした。 彼女たちの孝行心に感動して、二人の旅を助けた市井の人々の温かな思いやりの心、他人に手をさしのべる姿に、今の日本人が忘れてしまった大切なものを思い出させてもらったような気がしました。 この本の中で語られている人情や仁愛を重んじる日本人の美しい伝統を広く後世に伝えていきたいと思いました。 たくさんの若い方々に読んでいただきたい本です。2012/11/07