内容説明
松井さんは太いひとさし指で、頬にかかった一筋の髪をおかっぱ節にもどそうとしている。けれどもうまくいかない。人形は目を開けたまま心地良さそうに松井さん愛撫を受けている。軽い妬みがわたしのなかをよぎった。―第一創作集。
著者等紹介
名取二三江［ナトリフミエ］
１９４６年、山梨県生れ。雑誌編集者を経て、小説を書くようになる。同人誌「ＭＯＤＯＲＩ」「まくた」「舗石」「文学横浜」に作品を発表（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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