内容説明
汚染されない認識、全的な気づきは、どのようにして可能だろうか?二十世紀の大知識人オルダス・ハクスリーは、本書に収録された二回の講演と三つのエッセイを通じて、人類生存のために必要なエッセンスを古今東西にわたる博識から抽出して活性化させることを提案している。
目次
人間の潜在的可能性
両生類の教育
知ることと、さとること
愛のヨガ
幻視的経験
オルダス・ハクスリー小伝
付録―中川・ユズル対談
著者等紹介
ハクスリー,オルダス[ハクスリー,オルダス][Huxley,Aldous]
英国生まれの著作家(1894‐1963)。第1次大戦後の前衛的文学者として知的風刺的な作風でもてはやされた。未来小説『すばらしい新世界』(1932)、精神拡大の実験記録『知覚の扉』(1954)などで知られる。晩年はエコロジー危機と、それに対する人間の内面的改革の必要性を説いて精力的に講演してまわった
片桐ユズル[カタギリユズル]
1931年、東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士。京都精華大学名誉教授。GDM英語教授法研究会会員、アレクサンダー・テクニーク・インターナショナル公認教師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふみふみ
4
講演とエッセイ集。人間の潜在的可能性を高めるには非言語教育が重要として、気づきや受容等認識の訓練(ゲシュタルト療法)、適切な心身の使い方(アレクサンダー・テクニーク)、視覚訓練(瞬間投影器)、霊的洞察(悟り、禅、瞑想)などを論じてます。自己と非自己に関する言及は最新の脳科学の知識と照らし合わせてみないとなんとも。社会と性愛に関するエッセイでは19世紀イギリスの宗教共同体の複合婚の成功例を紹介してますが、これって「すばらしい新世界」で描かれるフリーセックスのアイデアの元ネタなんじゃないかしら2019/04/28
Emi Kadobayashi
0
オルダス・ハクスリーはイギリス生まれ、1894〜1963、著作はヒッピー文化の源流ともなった、らしい。あとがきを読むとかつて日本でも彼の考え方を受け継いだ活動が続いてたよう。「さとる」「教育」「汝自身を知れ」、世にあるものに対してハクスリーによる具体的洞察、考察、提唱。読者自身の内的もやもやの消化を助けてくれる作用あり。しかし読みにくい文章なのでオススメ度★1点。2012/12/12