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内容説明
原書名は、翻訳すると「クリスチャン・ディオールと私」。私人のディオールが“もう一人の自分”、つまり“服飾デザイナーとして輝かしい成功を収めた公人クリスチャン・ディオール”の生き方に焦点を当てて綴った本です。クールな視点に時折シニカルなニュアンスを織り交ぜた表現はディオールの人柄を忍ばせ、また、鋭い分析力を用いて丁寧に記された情景描写からは登場人物に対する配慮と深い愛情が感じられます。パリ・オートクチュール界に君臨した巨匠、クリスチャン・ディオールが遺した唯一の自伝。自らについて多くを語らなかった彼が時空を超えて訴えかけるものとは…。初版より半世紀の完全復刻版。
目次
運命
ひとり立ち
ニュールック
ディオール
コレクションの生まれるまで
トワールから衣裳へ
コレクションの誕生
ショウの総練習
徹夜の準備
コレクションの発表
衣装の物語
モデル
お客様
小さい建物からビルディングへ
若き日
心を開いて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
66
ディオールの自伝。自身の店についてやノルマンディのブルジョワの家に生まれた生い立ちなどが綴られますが、印象深いのはやはりコレクションについて。衣裳によって「自分の趣味」を表現しようとしたのだと彼は言う。しかしそれにはそれを現実に落とし込む裁断や縫製の優れた技術が必要で、デザイナーとアトリエが合点を探りながら「空想の怪獣」が実体を持っていく様にはため息が出ます。そんな衣裳で婦人を「もっと幸福にしよう」という作者の夢は、今も再構築され続けるバージャケット等の作品によって新しく紡がれているのだろうと思いました。2024/04/19