内容説明
演劇史上最強にして最悪の悪女。母親が自分を裏切った夫への見せしめに二人の幼子を殺害した。それがメディアが起こした事件である。王の娘として生まれたメディアは、心に起ったことを我慢することを知らない。そしてメディアは、いざとなったら女はどんなに怖いかを男に永遠の記憶として植え付けたと言えるだろう。
目次
メディア
「メディア」について
カタルシスにたどり着くまでの長い道のり
メディアという女性の中に入ってみて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えふのらん
2
フェミニズム云々の議論はさておいても、これが男性社会の古代ギリシャで書かれたという事がすごい。元ネタにあたるアルゴナウティカには島の男を皆殺しにしたヒュプシピュレー一党もいるわけで、あえてメディアを作品に仕立て上げたということは女性にも権利がある、もしくは同権に近い意識があったのだろう。勝手についてきたと罵るイアソンと全てを犠牲にしてお前の期待に答えたメディアのやり取りは現代劇と比べても遜色がない。いやむしろ、状況設定が過激なだけに見ごたえがあるかもしれない。2022/11/19
ぴかぴか
1
セレブ中のセレブのメディアは実家を飛び出し実の弟を殺し、新しい国で夫イアソンと二人の子供と共に暮らす。夫イアソンはその国の王の娘と結婚するという。激怒したメディアの行動の数々。恐ろしいの一言だが、メディアは本音を話しそのままを実行しただけだといい、女性の本質なのだという展開にもなっている。女性の本質かどうかはさておき、本音のままの行動だといわれると痛快と感じてくる部分もあるのがまたまた恐ろしい。。2022/06/13
ロバーツ
1
実際に演じられた舞台の台本。2022/03/02