内容説明
敗戦の混乱さめやらぬ1948年4月、荒川区三河島で1人の男の殺傷事件が起きた。殺人容疑で逮捕されたのは同棲していた23歳の金順伊。彼女はそのときなぜ、東京にいたのか?朝鮮・ハルピン・フィリピンそして日本。戦前・戦中・戦後、そしていまなおつづく日本人の戦争と性と加害者意識への無自覚を追及する渾身のフィクション。「戦後レジームからの脱却」の虚妄を、地獄を生き抜いたひとりの朝鮮人女性を通じて暴き出す。
著者等紹介
石田甚太郎[イシダジンタロウ]
1922年福島県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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