内容説明
生の根底を脅かすほどの孤独や不安、障害や差別、抑圧や暴力にさらされたとき、人は何を拠り所に生きたらよいのか。絶望の闇と希望の光のはざまに生きる人の壮絶な生に迫りながら、いのちを守り、いのちを弾ませるためには何が必要か、熱く語りかけて、胸を打つ。
目次
1 ナポリ・アテネ放浪記―僕の路上絵商売
2 愛の実験台―生野の康秀峰さん
3 “自分”という問題―ジジとクーとゾンの対話
4 なぜ少女は母にタリウムを投与したか―ブログ「グルムグンシュ」を読む
5 遊ぶひとは遊ぶ眼をもって―福森慶之介さん創作訪問記
6 魂といのちのイマージュ、絵を描くこと―すこし長いあとがき
著者等紹介
清眞人[キヨシマヒト]
1949年生まれ。早稲田大学政経学部卒業、同大学院文学研究科哲学専攻・博士課程修了。近畿大学文芸学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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my_you
2
不自然に思えてならない関西弁もそうですが、標準語で書かれたナポリアテネ放浪記にしても言葉のリズムが好きになれなかった。特に架空の三人問答では自分というもんだいについて論じ、自体価値や差異価値について語らせているんだけど、年齢設定と難しい言葉遣いが合致しているようには思えないし、ゾンさんという知者に寄りかかるかたちで議論を進めていくのもよい対話には思えない。タリウム投与事件への実存的考察含め、よくも悪くも哲学者先生という印象。いや、言ってることに異論はないんだけどね。2010/10/04