内容説明
洗礼者ヨハネの後継者として独自の活動を開始したイエスの周囲にユダ、ペテロ、ヨハネらの弟子たちが集うが、「救世主宣言」によってエルサレム衆議会に敵視され、パリサイ派や祭司から執拗な妨害を受けるようになる。愛の教えが民衆に受け入れられず失意のイエスの前に現れるマグダラのマリア、保身からイエスを逮捕しようとする大祭司カヤパ、必死の思いで論戦を挑む祭司ボアズ、そして敵たちを背後から操る黒幕の存在…。「ラザロの復活」によって民衆は再びイエスを熱狂的に支持するが、衆議会はユダを利用してイエスの逮捕に成功し、ピラトの公開裁判で民衆を扇動して十字架刑の判決を出させる。「裏切り」を行ったユダの心中には「過去の体験で刻まれた強い決意」があった。二千年来の「謎」である、「ユダはなぜイエスを裏切ったのか」「民衆の支持を集めたイエスがなぜ十字架にかけられたのか」という問いに対する一つの答えがここにある。