内容説明
九人の画家をめぐる人と風土のネットワーク。
目次
1 黒田清輝―パリ、グレー村、東京
2 明治三十年の黒田清輝
3 青木繁―都鄙の振幅
4 木村荘八―「東京まみれ」の江戸っ子
5 万鉄五郎―東京、土沢、茅ヶ崎
6 岸田劉生―代々木から鵠沼へ、鵠沼から京都へ
7 川上涼花という画家がいた
8 古賀春江―久留米から東京へ、東京から久留米へ
9 坂本繁二郎―八女にとどまるということ
10 松本竣介―淀橋区下落合四丁目のアトリエのなかで
11 あとがきのまえにもうひとつ―青木繁と岸田劉生
著者等紹介
田中淳[タナカアツシ]
1955年東京生まれ。1983年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。東京国立近代美術館研究員となる。1994年東京国立文化財研究所に異動。2001年独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所美術部黒田記念近代現代美術研究室長
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
1
画家が生まれ、生活してきた「場所」から、もう一度その画家のこと、作品のことを考え直す。黒田清輝、青木繁、木村荘八、萬鉄五郎など、9人の画家をめぐる人と風土のネットワーク。2013/02/28
almondeyed
0
作家と出身地の関係性について論じた本を以前読んだが、それよりも画家とその作品を描いた土地との関係を説いたこの本の方が、作品自体がヴィジュアルなものだから、ずっと画家の心情などがダイレクトに伝わってきた。岸田劉生については特に。それと、このところ気になっていた川上涼花の事を知る事が出来たので嬉しい。あとこの本には『夏目漱石の美術世界展』に出品されている作品が何点か出て来るので、展覧会の副読本としてもお勧め。2013/06/09