内容説明
なぜ男たちは戦いに明け暮れ、仕事に生きようとするのか?そこで得られる悦びとは、幸福とは?はたして、それは女たちの幸福と交わるのか?いま男たちが日々の営みのなかで抱える切実なテーマを、鮮やかに読み解く全24章。男たちの新しい希望と、男女の新しい出会いのために。
目次
まえがき―男にとって希望はどこにあるか
男たちの基本問題―「男の生きがたさ」とは何か
守ってあげたい―「群れを守る」のは男の役割か?
親業における男の役割―「父性の復権論」を吟味する
ヴァルナラビリティ―「弱さのもてはやし」が持つディレンマ
サムライを求めて―『ラスト・サムライ』と武士道精神を考える
男女差についての見方―性器タイプの差異か、身長タイプの差異か
妻子を養う―律儀な日本の男たち
カマキリとウスバカゲロウ―報われない父性を見つめる
日本における「名前のない問題」―不幸の姿は男女で異なるか?〔ほか〕
著者等紹介
細谷実[ホソヤマコト]
1957年生まれ。東京大学人文科学研究科博士課程単位取得。関東学院大学経済学部教授。哲学、倫理学、ジェンダー論専攻
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感想・レビュー
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Yasomi Mori
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男について論じたテキストはまだ少ないので、貴重な試みだと思います。ジェンダー論の入門書としてもアリかも。/とはいえ、内容的には物足りなさが否めず。エッセイ調の文体は対象読者(まずは「団塊の世代の男女に読んでもらいたい」そう)への配慮だろうし、フェミニズムの一部ラディカルな主張に対する反論もおおむね妥当と考えますが、全体的に掘り下げが甘い印象。客観的に淡々と論じられるゆえの読みやすさは、著者自身が【男であること】の切実な問題意識が弱い(あるいは、そのようなポーズを取っている)ようにも感じました。2013/12/13
邪馬台国
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絶望感を煽る主旨ではなく、男性である著者が女性の視点で物事を捉え直したときの男性目線を問う内容。もちろん限界はあるだろうけど、ジェンダー論に足を踏み入れるには興味深い内容が多々あった。そして読みやすい。2011/12/23