内容説明
先人が夢見たハイパーテキストの桃源郷は、インターネットと検索エンジンによって実現したかに見えます。そこは欲するものを言葉にして検索フィールドに打ち込まなければ何も始まらない「欲望の明確な言語化」を厳しく要求される場所でもありました。しかし、私たちの住む極東の島国では、厳しさとは無縁の奇妙なネット文化が栄えはじめています。その馴れ合いの深層には何があるのでしょう?ネットの向こう側にいるのが生身の人間かどうかさえ重要性を失いつつある今、高度な通信テクノロジーを惜しみなく費やしながら、たわいないおしゃべりのような軽さで行き交う情報群を捕獲する作戦記録として、本書をお届けします。
目次
第1章 領域:メディアの性能―性能が先行するテキスト表現
第2章 領域:仮想現実上の仮想ではない共感―『lain』と『電車男』にみる仮想現実のパラダイムシフト
第3章 領域:萌え―流石だよな俺ら、の「庄司薫」解説
第4章 領域:自意識が殺す世界―リミックス・オブ・エヴァンゲリオン
第5章 領域:リアル戦闘技術―マトリックスの戦い方
第6章 領域:電脳メディアの歴史―ハイパーテキストによって拡大する言語表現の可能性
著者等紹介
青木敬士[アオキケイシ]
1970年8月15日北海道苫小牧市生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒。卒業後母校で副手を勤めたあとフリーに。その間、某果物のマークのコンピュータ会社でサポートセンターのオペレータ経験を積み、ふたたび日芸にカムバック。文芸学科助手
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