内容説明
限りなく異常の度を加えつつある現代世界の中で正気を保つためには、もはや「正常(ノーマル)」であるだけでは不十分であり、「超正常」な生き方を実現することが急務となっている。そのため、典型的な超正常者としてのクリシュナムルティの歩みを、まず初期から第二次大戦後にかけておこなわれたいくつかの代表的トークによってたどる。次に、一九七〇年前後のトークに傾聴することによって、彼の教えの核心に迫る。そして最後に、「学び」の可能性を様々な角度から模索することによって、超正常な生き方の実現に不可欠の気づき・観察・洞察・理解・注意・知覚力を磨くための手がかりをつかみ、新たな学びの精神を培うことをめざす。
目次
第1部 五つのトーク(監獄としての世界―オーク・グローブでのトーク(一九三四年)
豊饒なる生の実現―バルパライソでのトーク(一九三五年)
個人と社会、そして戦争―オーク・グローブでのトーク(一九四〇年)
シンプル・ライフについて―オーハイでのトーク(一九四四年)
ガンディーの死の真因について―インドでのトーク(一九四八年))
第2部 クリシュナムルティに学ぶ(変わろうとする切迫感の欠如;片隅からの自由;エネルギーの結集 ほか)
第3部 さらなる学びのために(クリシュナムルティの思い出;クリシュナムルティとの対話録;学びとユーモア―中島敦著「悟浄出世」他に学ぶ;)戦争について―セリーヌ、ミラー、ベラー、「新しい人間」、そして内村鑑三
現代文明の行方―『無痛文明論』に学ぶ
著者等紹介
大野純一[オオノジュンイチ]
1944年、東京浅草生まれ。一橋大学経済学部卒。翻訳家
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