内容説明
房中術とは房中(房子の中=寝屋)で行われる男女交合の技術である。しかし、単なる快楽の技法ではなく、広い意味での性の医術である。従来、房中術といえば卑猥なもの、道教と密着したものという大きな誤解が世間一般にも専門家の間でもあった。房中術とは本来儒家も公認した公開的なものでありながら儒家が排撃したので、道教が取り入れたのであり、いわば房中術は宗教的な救済再生の技法として継承されたことを、本書は明らかにした。
目次
第1章 房中術の歴史(房中術とは;房中術の位置づけ;主な房中書)
第2章 房中術の技法(房中術入門編;男性器編;長生不死編;治病予防編;性交体位編;女性性器部位名編)
第3章 房中術の思想(「気」の思想と房中術;求子と「孝」の観念;神仙思想と房中術;道教とセックス;春画と房中術;中国人 日本人 西洋人のセックス観)
著者等紹介
坂出祥伸[サカデヨシノブ]
1934年鳥取県生まれ。大阪外国語大学中国語学科卒。京都大学大学院文学研究科(中国哲学史専攻)修士課程修了。関西大学在外研究員としてフランス国立高等研究員第5部門において道教を研究。現在、関西大学文学部教授。文学博士、日本道教学会会長を経て、現在同会理事
梅川純代[ウメカワスミヨ]
1973年(昭和48年)神奈川県生まれ。1992年に東京外国語大学中国語学科に入学、1996年に同大学同学科卒業。同年、ロンドン大学、SOAS(アジア・アフリカ研究所)、東アジア文学部・中国文学科修士課程に入学。1997年に同大学同学部同学科修士課程を卒業し、同年に同大学、歴史学部博士課程入学。Dr.C.Cullenに師事する。2003年現在、博士論文提出済みで口答諮問を待つ
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