内容説明
日本企業の中国への製造拠点移転は、日本国内の雇用確保やモノづくり構造に大きな変化をもたらしている。本書では、まず中国やアジアとの関係のなかで、日本の産業がどのような方向に向かおうとしているかを検討した。また、WTO加盟後の変貌著しい中国経済や日中経済関係の過去を踏まえて将来展望を試みている。さらに、中国における外資系企業の設立方法や予想されるさまざまな問題解決への対処についても言及した。そのうえで、日中産業協力や日本の高付加価値型産業への転換可能性、模倣品問題など中国との間の今日的課題についても解き明かす努力を行っている。
目次
序論 変貌するアジアのモノづくり地図―相互補完的モノづくりから中国シフトへ
第1部 日中経済関係の進展とモノづくり環境(日中経済関係の進展と課題;日本企業のトラブルと中国の外資政策;中国のWTO加盟と投資環境の変化;日本企業の生産形態とファイナンス事情;模倣品問題と知的財産権保護)
第2部 各産業分野にみるモノづくり関係(厳しい競争にさらされる農産品;クリエイティブな企業がリードする住まい・身の回り品;日本の繊維産業の衰退と中国シフト;急成長するコンピュータ産業;“メイド・イン・チャイナ”自動車の行方)