内容説明
美空ひばり映画の不当な評価に怒り、都はるみの舞台に滂沱の涙を流し、森進一を現代のカストラートと呼ぶ超個性的、挑発的、偏愛演歌論。
目次
美空ひばり(1)―歌える映画スターでもあった
美空ひばり(2)―ほの暗い憂愁
都はるみ(1)―日本のブルース歌手
瀬川瑛子―『矢切りの渡し』幻想
森進一(1)―現代のカストラート
春日八郎―孤独感漂う余韻のない高音
北島三郎―寂しく震える哀しい高音
淡谷のり子―エロスがうるむ高音
由紀さおりと「たま」と井上陽水―暗さが沈む感傷音
美空ひばり(3)―歌っているとき息をしていたのだろうか
都はるみ(2)―二〇〇一年一月 日生劇場でしっとりと情を詩った
森進一(2)静やかな情の吐息『平成和讃 こころの雫』
著者等紹介
佐藤禀一[サトウリンイチ]
1938年東京生まれ。小・中学時代を会津若松市、高校時代を福島市で遊び惚ける。法政大学文学部哲学科で谷川徹三、佐藤信衛、池島重信、福田定良教授に接し、「考えるとは」を学ぶ。同大1963年卒。社団法人家の光協会に入り、農協の生活文化活動の企画、生活情報テレビ番組の企画、広報などを担当。1990年「50歳を過ぎたら肉体労働」、「暮らしを小さく」のスローガンのもと同会を退職。すすんでビジネスホテルの掃除夫、電気工事現場の交通ガードマンの仕事に就く。収入は四分の一に激減したが風を友とした肉体労働の六年間は、心身ともに充実していた。現在無職。90歳を超える母の介護中心の生活をしている
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