目次
パタンの空より(ネパールへ向かうなかで;今日から住むまち;私はこの国じゃなにもできない;試してみたいこの一年 ほか)
佐野由美さんについて想うこと(子どもたちに伝えたかった未来;出会い;由美さんが教えてくれたこと;由美と私(1996‐1999) ほか)
著者等紹介
佐野由美[サノユミ]
1975年、11月29日、神戸市長田区生まれ。1998年3月に大阪芸術大学美術学科を卒業。1998年4月より、NGOの長期先生派遣事業に参加、1年間ネパール・パタンにて小学校の美術指導を行う。1999年4月4日、帰国直前に交通事故に巻き込まれ逝去
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感想・レビュー
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ましろ
20
彼女を最初に見たのは2001年毎日放送ドキュメンタリー番組「with-若き美術作家の生涯」だった。1998年NGOの長期先生派遣事業に参加し、1年間ネパールの小学校で美術の授業をする様子が映っていた。言葉や慣れない風土に戸惑いながらも、徐々にネパール語を巧みに使いこなし生き生きとした人物像を描く彼女にいつか会ってみたいと思いながら深夜番組を見ていたら、最後のシーンでなんと彼女は帰国直前交通事故で亡くなっておりとてもショックを受けた。後に京都のぎゃらりぃ思文閣にて彼女の展覧会を観てその時の購入本。2015/12/23
み。
1
上司に薦められて。最後の、付記が一番残った。佐野さんのことは全然知らないのだけど、優秀で、日本では活躍してたのかな?ネパールで、自分を試したい、成功したいって、どういうことだったのかな。私は海外に行ったことがないけど、不衛生さや文化の違いにはやられそう。私は何もできないって、たくさん文の中に出てくるのだけど、そうなのかな。22歳だったんだなぁ。2017/11/27
遥かな稜線
0
透明な感性に「二十歳の原点」を思い出した。ネパールパタンの小学校にボランティア教員として赴任した画学生の手記。現地の貧困や格差、文化の違いなどに悩み、それでも一所懸命現地の人たちと向き合う姿を気負わず綴る。帰国を前に交通事故で死去。阪神の震災を綴り、ネパールへ渡って亡くなった彼女が生きていたら、今何をしていただろうか?彼女には、パタンの次、そして、そのまだまだ先をいつまでも綴って欲しかった。