出版社内容情報
9年ぶりの書き下ろしエッセイ集、ついに刊行。
『私という病』『愛という病』で心の深部をえぐり出してきた中村うさぎが、初めて“言葉そのもの”をテーマに挑む渾身の一冊。
コピーライター、小説家、エッセイストとして、言葉を生業にしてきた著者が今、あらためて「言霊」に耳を澄ます。誹謗とテンプレートが飛び交い、AIが“それらしい文章”を量産する時代に、自らを救う言葉はどこにあるのか? そして、私たちはいつか自分の言葉で語ることを忘れてしまうのか?
「言葉とは何か」を根源から問う、鋭くも切実な思索の軌跡―。
【目次】
言葉に宿るもの
はじめに言葉があった
かつて言葉は「魂」であった
言葉狩りは文化と魂の抹殺である
名作童話の魔法の「言葉」
自分を「言語化」する、ということ
「夜の言葉」を書く者になりたい
自分の「夜」を掘り続ける
「愛」とそれを巡る言葉
「愛」と「正義」とディズニーアニメ
それでも「愛」について語ってみようか
父が「言葉」を喪っていく
ありがとう、ごめんね
「愛」がわからないから「愛」とは何かと問い続ける
言葉が私を救うとき
自分を救う言葉を探す
従妹が恋した偽医師
言霊の魔術師・宮沢賢治と尾崎放哉
言霊の魔術師・寺山修司と中原中也
エドガー・アラン・ポーの“Nevermore”
サリンジャーとディックにつかまって
「意味」の病
フィボナッチ数列という「言葉」
数学音痴はスーパー歌姫の夢を見れるか
脳は我々を偏執的な「意味」の世界に閉じ込める
名前という言霊
生と死と言葉
AIは自殺を止められるか
「念仏」という不思議な言葉
我々は何故「死にたい」と呟くのか
言葉にならない「怒り」の話
言葉にならない「怒り」の話 その二
私の老いのテーマは「終活」ではなく「執活」である
言葉が社会を変える
フレディ・マーキュリーの言霊
アドルフ・ヒトラーの言霊
私の母とヒトラーが死ぬまで語らなかったこと
男の言葉、女の言葉
凡人の凡人によるファイナル・メッセージ



