出版社内容情報
《内容》 今日,基礎研究の進展と社会的要請の増大から,老化にかかわる研究は量・質ともに旧来をはるかに凌駕し大きく膨張しつつある.そして,昨今の老化研究の隆盛は,われわれがいま未曾有の高齢化社会を迎えつつあるという切実な現実に動機づけられている. そんななか,本書の編集にあたって心を砕いたのは以下の点である.まず,老化研究は一義的にわれわれ人類のためにある研究領域であることから,基礎研究者にとっては日頃なじみが少ないものの,研究を遂行するうえで重要な動機となるべき,実際の臨床で観察される人間の老化を知る機会となること.つぎに,今日,基礎的老化研究の成果はただちに臨床医学に取り入れられていることから,基礎研究に根ざした老化関連疾患における治療方法の最近の進展を知る機会となること.最後に,老化研究は個体総体が示す生命現象を取り扱うものであり,そこにはあらゆるレベルでの生命原理が関与するが,そのいっけん無秩序な事実の寄せ集めから統一した理解を浮かび上がらせる努力が日々続けられている.そのような知的興奮が感じ取れるようなものとすること.このような原理の抽出作業は,ある研究領域を科学として飛躍させるために必須であり,特に,次世代の老化研究を担うべき若い研究者・学生の知的好奇心を鼓舞するものである.
近年,急速に進展しつつある老化研究についての待望のレビュー集.老化研究者だけでなく,基礎生物学者や臨床医もみな必読.
《目次》
1.ヒトの老化はどのように起こるのか
2.酸化ストレスと老化
3.老化・寿命のメカニズムにおける進化的共通性とSir2の機能
4.線虫における老化
5.ショウジョウバエ遺伝学を用いた老化研究
6.DNAウイルスと老化
7.ストレス反応としての細胞老化
8.骨粗鬆症の分子病態
9.骨と軟骨の再生
10.幹細胞の老化
11.老年病に対する遺伝子治療
12.色素性乾皮症の分子機構と老化
13.WRN遺伝子と老化
14.アルツハイマー病の臨床病理
15.アルツハイマー病の分子機構
内容説明
ヒトはなぜ老いるのか、その謎が明らかになりつつある。一方で、われわれは未曾有の高齢化社会に直面している。老化の分子メカニズムから老化関連疾患まで、老化研究のすべてをまとめた待望のレビュー集。
目次
ヒトの老化はどのように起こるのか―高齢期の健康を科学する
酸化ストレスと老化
老化・寿命のメカニズムにおける進化的共通性とSir2の機能
線虫における老化
ショウジョウバエ遺伝学を用いた老化研究
DNAウイルスと老化
ストレス反応としての細胞老化
骨粗鬆症の分子病態
骨と軟骨の再生
幹細胞の老化
老年病に対する遺伝子治療
色素性乾皮症の分子構造と老化
WRN遺伝子と老化
アルツハイマー病の臨床病理
アルツハイマー病の分子機構
著者等紹介
石川冬木[イシカワフユキ]
京都大学大学院生命科学研究科
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