出版社内容情報
《内容》 細胞骨格制御とそれによってひき起こされる細胞の運動は,基本的な生命現象のひとつとしてさまざまな細胞でさまざまな機能発現にかかわっている.免疫担当細胞の異物への遊走,神経細胞の突起形成、がん細胞の浸潤・転移といった現象のみならず,多細胞生物の発生に必須の現象である形態形成においても決定的な役割をはたしている.
最近になり,細胞骨格構築の基本的機序についてはほぼ解明され,ダイナミックな細胞骨格再編がどのようにして細胞運動の駆動力発生へと至るのか,がん細胞の浸潤・転移における運動機能亢進がどのように生じているのか,細胞遊走がどのように調節され形態形成がなされるのかなど、研究は細胞遊走のより生物学的役割の解明へと進んできている
本書は,ちょうど細胞遊走の分子的メカニズムが解明されかけてきたタイミングにあわせ企画された.より基礎的な細胞骨格構築や調節にかかわる分子についての解説にはじまり,それらを制御するシグナルの伝達,さらには,形態形成やがん細胞の浸潤・転移の機序に至る細胞運動全般についてまで最新の記述がなされ,本書1冊で,細胞骨格系の基礎的なことから細胞運動制御に関する最新の情報までを学べるよう構成されている.
近年,急速にそのメカニズムが解明されつつある細胞骨格制御と細胞運動についての待望のレビュー集.細胞骨格の研究者だけでなく,シグナル伝達や形態形成にかかわる研究者はみな必読.
《目次》
第1部 細胞骨格の構築とその調節タンパク質
1.細胞骨格構成タンパク質とその性質(概論)
1.1.アクチン
1.2.ミオシン
1.3.微小管
1.4.中間径フィラメント
2.アクチンフィラメントの構築にかかわるタンパク質
2.1.アクチン調節タンパク質
2.1.1.アクチンフィラメント切断タンパク質
2.1.2.アクチンキャッピングタンパク質
2.1.3.アクチン架橋タンパク質
2.1.4.単量体アクチン結合タンパク質
2.2.細胞膜アンカー・裏打ちタンパク質
2.2.1.ビンキュリン,テーリン,テンシン
2.2.2.ERMタンパク質
2.2.3.αカテニンとβカテニン
2.3.Ena/VASP
2.4.Arp2/3複合体
第2部 ダイナミックなアクチンフィラメントの再編を制御するシグナル分子
1.Rhoファミリータンパク質
2.LIMキナーゼ
3.Rhoキナーゼ
4.mDia
5.イノシトールリン脂質
6.細胞質分裂に関与するキナーゼ
7.WASPファミリータンパク質
8.FAKとパキシリン
9.CD44
第3部 細胞遊走の制御機序
1.ホスファチジルイノシトール3-キナーゼによる極性発生
2.アクチン重合による運動能発生機構
3.筋原細胞の遊走と筋形成
4.がんの浸潤・転移と細胞運動
5.リーリンによる神経細胞移動の制御
6.神経軸索ガイド分子の反発・誘引活性と細胞内機序
内容説明
本書は、ちょうど細胞遊走の分子的メカニズムが解明されかけてきたタイミングにあわせ企画された。より基礎的な細胞骨格構築や調節にかかわる分子についての解説にはじまり、それらを制御するシグナルの伝達、さらには、形態形成やがん細胞の浸潤・転移の機序に至る細胞運動全般についてまで最新の記述がなされ、細胞骨格系の基礎的なことから細胞運動制御に関する最新の情報までを学べるよう構成されている。近年、急速にそのメカニズムが解明されつつある細胞骨格制御と細胞運動についての待望のレビュー集。
目次
第1部 細胞骨格の構築とその調節タンパク質(細胞骨格構成タンパク質とその性質(概論)
アクチンフィラメントの構築にかかわるタンパク質)
第2部 ダイナミックなアクチンフィラメントの再編を制御するシグナル分子(Rhoファミリータンパク質;LIMキナーゼ;Rhoキナーゼ ほか)
第3部 細胞遊走の制御機序(ホスファチジルイノシトール3‐キナーゼによる極性発生;アクチン重合による運動能発生機構;筋原細胞の遊走と筋形成 ほか)
著者等紹介
竹縄忠臣[タケナワタダオミ]
東京大学医科学研究所
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